ABOUT

神戸建築祭とは

神戸建築祭とは

港町神戸の歴史や震災の記憶を受け継ぐ建築が今なお多く残されています。それらは、歴史的価値や文化的魅力をもった神戸の財産です。しかし、その真の価値が知られないまま、気づかれないまま、再開発の波に押されて、日々取り壊され、減少の一途をたどっています。

建築祭では、普段一般に公開されていない建築に多くの人々が触れる機会をつくり、建築の魅力や価値を再発見し、愛着を持ってもらうことを目的としています。同時に、たくさんの人が関心を寄せることで、建築の管理団体や所有者自身に、所有する建築の価値を再認識してもらい、保全意識を持っていただくことも大切です。
このような活動を通じて、神戸の貴重な財産である数々の建築を後世へ残してゆく機運を高め、観光資源または人が集う“生きた場”として有効活用していく道筋を示すことで、実際の保全活動へとつなげる。そのことが、神戸市のサスティナブルなまちづくりや、コミュニティに貢献すると考えます。
神戸建築祭実行委員会では、民・官・学が密接に連携し、神戸の地元企業や商店なども巻き込みながら、街ぐるみで建築祭を育て、神戸の秋の風物詩となるべく、活動を続けています。

2025年 神戸建築祭 in 舞子・垂水・塩屋 開催概要

パスポート
公開
2025年11月30日(日)
エリア 舞子・垂水・塩屋(一部須磨)※ガイドツアーは須磨区でも実施
主催 神戸建築祭実行委員会
後援 神戸市、兵庫県、神戸新聞社、サンテレビジョン、一般社団法人 兵庫県建築士事務所協会

神戸建築祭について

● 建築がひらく、神戸の記憶

神戸は、明治維新とともに開港し、飛躍的な発展を遂げた街です。海と山に囲まれた狭い市街地にもかかわらず、大正の中頃には東京や大阪とともに三大都市のひとつに数えられるほど繁栄を誇りました。
“東洋一美しい”と讃えられた旧居留地には数多くの建築が立ち並び、港湾部には国際貿易港ならではのダイナミックなインフラ施設や倉庫群が。日本人と外国人が共生した山麓の「雑居地」には、今も暮らしとともにある異人館、様々な宗派の教会堂。さらには財界人の本邸が並ぶお屋敷街。瀟洒なホテル建築や別荘が連なるリゾート地。中国に迷い込んだかのような南京町。驚くべき文化の多様さを誇る「神戸らしさ」を、日本の近代化を体現するこの街の記憶を、何より全身で語るのが、神戸の建築です。
神戸大空襲や阪神淡路大震災は、その多くを損失させました。空襲の爆撃痕や倒壊の傷痕、残材を使い復興を果たした西洋館。激動の時を経て今を生きる建築には、私たちが歩んできた記憶が、困難を乗り越えようとした人々の思いが、なまなましく刻まれています。
神戸という街の記憶を全身に宿す建築が、年に一度、一斉に扉を開く。今年10月下旬には大阪で、建築公開イベントの先駆け「イケフェス大阪」が。11月上旬には「京都モダン建築祭」の開催が予定されています。そして11月下旬、日本の近代化を象徴する都市・神戸の建築祭が加わり、京阪神の三都市から建築を開いていく大きなうねりが実現しました。「建築」を多くの人に開くことで、建築とその記憶を未来へと繋いでいく、その一助を担いたいと思っています。

神戸建築祭実行委員会

実行委員長 松原永季(一級建築士/NPO 法人神戸まちづくり研究所 理事長)
実行委員 笠原 一人(建築史家/京都工芸繊維大学 准教授)
前畑 洋平(NPO 法人 J-heritage 代表)
松下 麻理(Artist in Residence KOBE)
森口 哲(神戸市都市局景観政策 課長)
澤田 純一(兵庫県まちづくり部都市政策 課長)
以倉 敬之(合同会社まいまい 代表)
監事 鈴木祐一(大和船舶土地株式会社 社長/兵庫県建築士事務所協会)
事務局 神戸建築祭実行委員会事務局